AROUND THE WEST

小倉i酢のブログです

北陸新幹線敦賀延伸について

みなさんお久しぶりです、小倉i酢です。

タイトルにもあるように、北陸新幹線敦賀延伸が2023年度末、二年後にまで迫っています。大阪までの全線開業が前提となっている同線は、2030年度末の新大阪延伸が目標とされていますが、一部地域で共産党政治家が環境評価を拒否し、延伸工事準備の邪魔をするなど、先行きは不透明です。敦賀での新幹線と特急の分断、これにどのような影響があるのかを考えてみました。

 

所要時間短縮効果

こちらに関しては、鉄道・運輸機構の方がまとめてくださっています。それによると、金沢ー大阪間が2時間2分(-29分)、福井ー東京間が2時間53分(-21分)、富山ー福井間が44分(ー25分)、などとなっています。

やはり金沢ー敦賀間の125kmが高速化される効果は大きく、乗り換え時間を含んでもそこそこの時間短縮効果があります。

北陸対名古屋に関しても、敦賀まで新幹線でそこから在来線特急乗り換え、というのは変わりないので、所要時間短縮は対大阪と同等であると考えられます。

 

旅客流動の変化

旅客流動は、敦賀延伸後、北陸ー関東で37400人から37600人に、北陸ー大阪で14800人から16200人になる、と試算されています(1日あたり)。大阪、という表記のあたり京都や兵庫は含んでいなさそうですが、正確にはよく分かりません。乗り換えの手間が増えるにも関わらず、大阪と北陸を移動する人の数は増加するそうです。結局、一番大事なのは所要時間なんでしょうね。

 

並行在来線

特に普通列車の需要が目立つような区間もないので、金沢ー敦賀の全区間並行在来線となります。石川県はIRいしかわ鉄道が、福井県は新規の第三セクターによって運営される予定です。

越美北線は、JR西日本としては廃止したいところではあると思います。一方で、並行在来線分離で独立した区間は他の西日本在来線から大きく離れ、かつキハ120がのんびりと運行する閑散区間である大糸線糸魚川南小谷間を含めて全路線の運行をJR西日本が引き続き担当することになりました。

JR西日本はコロナ禍による旅客需要の低下を受けて「輸送密度2000人未満の路線については廃止を検討している」としていますが、これはあくまで沿線自治体へ鉄道維持への協力を求める「交渉材料」であり、実際に廃止へと持ち込むのは中国山地の、もはや鉄道としての使命を失った一部区間に留まるのではないでしょうか。

結局、越美北線もなんだかんだでJR西日本による運行が継続されそうです。

北陸本線は、敦賀直江津間が第三セクターによる運営となります。第三セクターによる運営は運賃の高騰や両数の減車、18券が使えなくなる(鉄道ファン以外への影響は僅少?)などの一部問題点があるものの、地域による運営になることで地域目線の運営が行われる(区間運転を中心とする運行本数の増加、新駅の設置など)が行われ、地域にとって決して悪いことでもありません。

日本でも大都市圏を除けば車社会であり、車社会の地域では日常の移動では自家用車を利用する人が多いものの、他の地方への移動は自家用車であるとは限りません。長距離になると運転が大変になりますし、目的とする大都市圏では駐車代が高くついたりすることも多いです。そういった意味で、他の地方への移動が速達化される整備新幹線が歓迎されるのです。

敦賀からの特急

北陸から京阪神、名古屋方面への移動には、敦賀で乗り換えが必要になります。

京阪神方面(サンダーバード

JR西日本の看板特急・サンダーバード。先述した通り、北陸から大阪方面への旅客流動が増加するわけですから、現状維持または増便、といったところであると予想されます。

ただ、JR西日本によると、北陸新幹線敦賀延伸でW5系を追加製造するそうです。12両編成25mのW5系と既存の在来線特急(サンダーバードは9or12両、20m)とでの組み合わせがどうなるのかはまだよくわかりません。

え、新快速で十分って?さすがに無理です。説明不要。

 

名古屋方面(しらさぎ

もともと、しらさぎには北陸ー首都圏輸送という役割がありました。現在は福井県内から首都圏へ移動する場合、しらさぎ東海道新幹線米原乗り換え)が便利なのですが、敦賀延伸でその役割が北陸新幹線にとってかわられるため、その需要は減少します。車社会の名古屋。東海北陸道の開業などで北陸ー名古屋は高速道路が優勢であり、しらさぎで名古屋まで行く、という需要がそこまで大きいわけではありません。しらさぎの廃止自体はないものの、米原折り返しの「加越スジ」のしらさぎが減便され、名古屋発着便が残るということは十分にあり得ます。

 

今回は以上です。

 

追伸 2021年下半期分は作らないかもしれません(気分次第)