東海・西日本旅客鉄道 1987年度と2018年度の比較
そこまでJR西日本が好きとか、そういう訳ではない(阪急や南海と直接競合するためというのもある)のですが、あまりにも東海が持ち上げられて西日本が貶されているのもかわいそうなので、統計資料を基に比較を行いたいと思います。
なお、サービスの差は乗務員の配置・補選など統計からは判断できない要素が多いのですが、ここは東海>西日本としておきます。また、列車の本数に関しては経営戦略・サービスの両方で捉えることができますが、新幹線は前者より・在来線特急は両方・広義の普通列車は後者よりとします。
2019年度以降はコロナの影響を色濃く受けていることが推測できるため、2018年度との比較を行います。
資料:ファクトシート2020(東海旅客鉄道)
どちらも2022年8月10日閲覧。
新幹線輸送人員
1987年を100として、
東海:100→169
西日本:100→161(2015年の北陸新幹線開業に留意。2014年と2015年を比較すると、山陽新幹線単体では140程度?)
新幹線運行本数
東海:231本→378本(1.64倍)
西日本:175本→267本(1.53倍)(山陽新幹線のみ)
参考:所要時間の推移(東京ー新大阪ー博多)
東海:2時間52分→2時間22分
西日本:2時間59分→2時間21分
特急・急行輸送人員
1987年を100として、
東海:100→54
西日本:
全体のデータはなかったものの、各路線ごとのデータがありました。
瀬戸大橋線:5877→14814
湖西線:9162→9213
きのくに線:4410→2247
嵯峨野線:4290→2110
はるか:新設→3770
伯備線:2284→1784
福知山線:1904→1583
はくと:791→828
特急・急行運行本数
東海:114本→102本
西日本:298本→488本(はるかの新設、はくたかの廃止などに留意)
新幹線・優等列車の比較を踏まえて
東海・西日本、両者の間にサービスの差が発生しているとの見方が一般的ですが、経営戦略とサービスの両方の側面を持っている特急・急行列車の本数では東海が減少、西日本が増加という形になりました。莫大な利益を上げている東海旅客鉄道がそのサービスを在来線に転嫁しているのかというと疑問が残る形です。
新幹線に関してはどちらも積極的。特に東海は増加幅が大きく、民営化後競争力を強化してきたことが伺えます。
経営手法で「東海が優れており、西日本が劣っている」のではなく、経営環境(国鉄時代からドル箱の東海、私鉄王国関西と中国地方のローカル線を抱えることになった西日本」がサービスの差の原因になっていると考えられます。